Solar System symposium in Sapporo 2024 を共催しました

2024年2月13日 (火) ~ 2月15日 (木) の期間,北海道ルスツリゾートにおいて Solar System symposium in Sapporo 2024 を共催しました.

国内外から約40名が参加し,太陽系の形成や初期進化について議論をおこないました.

2日目の2月14日 (水) には,NASAの小惑星探査機 OSIRIS-REx の Mission Sample Scientist である Harold C. Connolly Jr. 教授を招待し,小惑星 Bennu からのリターンサンプルについて講演していただきました.

招待講演をおこなう Harold C. Connolly Jr. 教授

詳細は以下URLをご参照ください.

https://3s2024.webnode.jp

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橘教授がフランスの冬の学校で講師を務めました

2024年2月4日 (日) ~ 2月9日 (金) の期間,フランス Les Houches において開催された Winter School “Small bodies of the Solar System and their link with extraterrestrial samples” にて,東京大学宇宙惑星科学機構 (UTOPS) の橘省吾教授が講師を務めました.

詳細は以下URLをご参照ください.

https://leshouches2024.sciencesconf.org/

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【プレスリリース】
「富岳」で高速電波バーストの再現に成功
―宇宙最大の電波爆発の起源に迫る―

共同プレスリリース
星野 真弘(地球惑星科学専攻 教授 )
天野 孝伸(地球惑星科学専攻 准教授 )

京都大学基礎物理学研究所 岩本昌倫 特任助教、千葉大学国際高等研究基幹 松本洋介 准教授、東京大学大学院理学系研究科 天野孝伸 准教授、星野真弘 教授、九州大学大学院総合理工学研究院 松清修一 教授らの研究グループは、スーパーコンピュータ「富岳」を使い、高速電波バーストの再現に成功しました。

高速電波バーストとは、突如としてごく短時間だけ電波で輝く宇宙最大の電波爆発です。その起源は、マグネターと呼ばれる非常に強い磁場を持った中性子星の周辺に形成される衝撃波であると信じられていますが、これまでは理論的裏付けがありませんでした。今回の「富岳」による衝撃波の超大規模シミュレーションの結果、シミュレーション内の電波はこれまでの観測と矛盾がなく、高速電波バーストを正しく再現できていることを初めて実証しました。

高速電波バーストの電波信号には通過してきた宇宙の情報が刻まれているため、宇宙の進化や構造を探る道具として利用できると考えられています。そのためには高速電波バーストがどこでどのようにして発生しているかを理解することが重要ですが、本研究はその解明に大きく迫り、宇宙論といった別分野にも波及効果をもたらすことが期待されます。

本研究成果は、2024年1月16日に米国の国際学術誌「Physical Review Letters」にオンライン掲載されました。

図:シュミュレーション終了時点での衝撃波の構造。左側が磁場を描いており、手前側に向かって電波が放射されている。右側はプラズマ密度であり、細長い構造が電波によって作り出されている。

詳細については、以下をご参照ください。

理学系研究科web:https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/10211/
掲載URL:https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.132.035201

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―宇宙最大の電波爆発の起源に迫る― は
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小学5年生にリュウグウや「はやぶさ2」のお話をしました

2024年1月23日 (火) に,東京大学宇宙惑星科学機構 (UTOPS) の橘省吾教授が練馬区立中村小学校5年生のみなさんに,リュウグウや「はやぶさ2」のお話をしました.

1時間目から4時間目まで各クラスを回って授業し,元気いっぱいなお子さんたちと交流しました.

当日の様子は以下URL「宇宙のお話1」「宇宙のお話2」をご参照ください.

https://cms.nerima-tky.ed.jp/weblog/index.php?id=107&type=7&search_word=%B1%A7%C3%E8%A4%CE%A4%AA%CF%C3&search_option=0

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【プレスリリース】
小惑星リュウグウに彗星塵が衝突した痕跡を発見
―太陽系遠方から有機物を含む彗星の塵が供給されていたことを示唆―

共同プレスリリース
橘 省吾(宇宙惑星科学機構/地球惑星科学専攻 教授)

小惑星の表面は大気に覆われていないため、太陽風や宇宙の塵が降り注ぎ、小惑星最表面の物質の化学組成などの特徴を変化させます。東北大学大学院理学研究科地学専攻の松本恵助教と中村智樹教授ら、立命館大学、京都大学、東京大学などとの共同研究チームは、探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウから持ち帰った岩石粒子の表面を走査型電子顕微鏡で観察し、小惑星表面に宇宙の小さな塵が衝突してできた大きさ5~20マイクロメートル程度の溶融物を複数発見しました。溶融物の3次元CT観察や化学組成分析を行った結果、溶融物は、衝突した彗星由来の塵とリュウグウの表面物質が高温で融けて混ざり合うことで生成したことが分かりました。

彗星は太陽系の遠方で形成され、生命の材料となり得る有機物を多く含むことが知られています。彗星塵の衝突による溶融物の形成は、現在から約500万年前の間に、現在の小惑星リュウグウの軌道上で起こった可能性が高く、リュウグウには、ごく最近まで、太陽系の遠方から有機物を含む彗星の塵が供給されていたと考えられます。

本研究の成果は、2024年1月19日に米国科学振興協会(AAAS)が発行する学術誌 Science Advances に掲載されました。

図:(左)リュウグウ粒子表面に見つかった溶融物。丸みを帯びており、水滴のような見かけをしている。
(右)溶融物断面のCT像。多くの気泡を含んでいることがわかる。

詳細については、以下をご参照ください。

理学系研究科web:https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/10185/
掲載URL:https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.adi7203

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高校生を対象とした天文学実習を開催しました

2024年1月20日(土)、21日(日)の2日間、長野県諏訪清陵高校,長野県諏訪二葉高校、長野県松本美須々ケ丘高校、岐阜県立恵那高校の生徒を対象に、天文学実習をおこないました。銀河の写真から、銀河までの距離を推定し、それらの銀河の後退速度を使って、宇宙の年齢を考えてもらいました。

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【プレスリリース】
リュウグウの岩石試料が始原的な隕石より黒いわけ
―地球に飛来した隕石は大気と反応し「上書き保存」されて明るく変化した―

共同プレスリリース
橘 省吾(宇宙惑星科学機構/地球惑星科学専攻 教授)

小惑星回収試料や隕石の反射スペクトルは、観測で得られる小惑星の反射スペクトルから小惑星の構成物質を特定するための手がかりとなります。

東北大学大学院理学研究科地学専攻の天野香菜大学院生(現、客員研究者)、中村智樹教授、国立研究開発法人 産業技術総合研究所の松岡萌研究員、東京大学大学院理学系研究科附属宇宙惑星科学機構・地球惑星科学専攻の橘省吾教授らの研究グループは、小惑星探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウから回収した試料を地球大気と反応させないように工夫して反射スペクトルを測定しました。リュウグウ試料、リュウグウと同種の小惑星から飛来した隕石、および隕石を実験的に加熱した試料を比較し、隕石が地球大気の水や酸素と反応したことでその反射スペクトルが宇宙にあった状態よりも明るく変化したことを示しました。本成果を踏まえ、隕石の地上での変質によって反射スペクトルがどのように変化しうるかを考慮することで、観測によって小惑星の構成物質を特定する精度の向上が期待されます。

本成果は2023年12月7日に米国科学振興協会(AAAS)が発行する学術誌 Science Advancesに掲載されました。

図:リュウグウ試料(グラフ中の青線)、加熱していないCIタイプ隕石(黒の点線)、300度で加熱したCIタイプ隕石(赤線)の反射スペクトル。

詳細については、以下をご参照ください。

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【プレスリリース】
小惑星リュウグウでみつかった窒化した鉄の鉱物
―太陽系の遠方から辿り着いた窒素に富む塵―

共同プレスリリース
瀧川 晶(地球惑星科学専攻 准教授)
橘 省吾(宇宙惑星科学機構/地球惑星科学専攻 教授)

太陽から遠く離れた場所で生まれた氷天体や彗星にはアンモニウム塩のような窒素化合物が大量に貯蔵されています。このような窒素を含む固体は生命の材料物質としてとても重要だと考えられていますが、地球軌道の地域に輸送される証拠は見つかっていませんでした。本研究では、地球の近くに軌道をもつ小惑星リュウグウの砂を電子顕微鏡で調べ、砂のごく表面が窒化した鉄(窒化鉄:Fe4N)に覆われていることを発見しました。窒化鉄は、磁鉄鉱と呼ばれる鉄原子と酸素原子の鉱物の表面で見られます。我々は、氷天体からやってきたアンモニア化合物を大量に含む微小な隕石がリュウグウに衝突して、磁鉄鉱の表面で化学反応が起こり、この窒化鉄が形成したと考えました。小惑星の表層では、太陽から吹くイオンの風(太陽風)の照射などによって磁鉄鉱の表面から酸素が失われていて、アンモニアと反応しやすい金属鉄がごく表面に形成しています。このため、磁鉄鉱の表面ではアンモニアに由来する窒化鉄の合成が促されたと推測しています。この微小隕石は太陽系遠方の氷天体からやってきたかもしれず、これまで気づかれてきたよりも多くの量の窒素化合物が太陽系の地球付近に輸送されて、生命の材料となった可能性があります。

本成果は、京都大学白眉センターの松本徹 特定助教、理学研究科の野口高明教授、三宅亮准教授、伊神洋平助教、化学研究所の治田充貴准教授、および国際的な共同研究者のグループによって行われ、2023年11月30日に英国の国際学術誌「Nature Astronomy」にオンライン掲載されました。

本研究成果には、地球惑星科学専攻の 橘省吾教授、瀧川晶准教授が参加しています。

(A) 小惑星リュウグウの試料に含まれる磁鉄鉱粒子。(B)丸い磁鉄鉱の断面画像。

詳細については、以下をご参照ください。

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