【プレスリリース】リュウグウはイヴナ型炭素質隕石でできている

共同プレスリリース
橘 省吾教授、飯塚 毅准教授、杉田 精司教授、諸田 智克准教授

「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウ試料の化学組成と同位体組成を測定しました。リュウグウは炭素質隕石、特にCIコンドライトと呼ばれるイヴナ型炭素質隕石から主に構成されていることが判明しました。その主な構成鉱物は、リュウグウの母天体中で水溶液から析出した二次鉱物です。母天体中の水溶液は、リュウグウに元々あった一次鉱物を変質させ、太陽系が誕生してから約500万年後に、この二次鉱物を沈積させました。その時の温度は、約40℃で圧力は0.06気圧以上でした。その後、今日まで、持ち帰ったリュウグウ試料は100℃以上に加熱されていないと思われます。これらの結果から、リュウグウ試料は、これまで見つかっている隕石を含め、人類が手に入れている天然試料のどれよりも、化学組成的に分化をしていない、最も始原的な特徴を持っているものだと言えます。今後、リュウグウ試料は、新しい太陽系の標準試料として国際的に活用されていくでしょう。

https://www.jaxa.jp/press/2022/06/20220610-2_j.html

詳細については、以下をご参照ください。

図:リュウグウ試料の元素存在度。CIコンドライトの分析値で規格化している。1.0より上(下)の点はCIコンドライトより多量(少量)に含まれる元素。(©Yokoyama et al., 2022より)

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【プレスリリース】リュウグウの花吹雪〜小型モニタカメラCAM-Hが捉えた表面粒子とリターンサンプル〜

共同プレスリリース
橘 省吾教授、杉田 精司教授、諸田 智克准教授、長 勇一郎助教、湯本 航生(博士課程1年)

リターンサンプルの分析は地質情報が存在することで、隕石などの分析とは一線を画します。しかし、小惑星の一部の地域から持ち帰られた試料から、小惑星の全体像の理解につながる貴重な情報が得られることを期待していいのでしょうか?このような懸念に対し、チームではすべての情報を駆使した解析を実行することを決断していました。そのために、大きさ1キロメートルのリュウグウ全体の観測、ローバーでの表面多地点観察、着地運用時のセンチメートル、ミリメートルサイズ粒子の観察、リターンサンプルの観察といったさまざまな長さスケール(マルチスケール)でおこなう観察や分析は、探査機データとサンプル分析をシームレスにつなぐものとして、「はやぶさ2」探査では重点的におこなわれてきました。今回、リュウグウ表面粒子のCAM-Hによる観察やMINERVA-II1ローバーによる多地点での観察と、クリーンチャンバー内のリターンサンプルの観察といったマルチスケール観測の結果をあわせて、リターンサンプルがリュウグウを代表する粒子であること、リュウグウ表面には平板状粒子が存在し、それらが持ち帰られたことが示されました。また、サンプラーシステムが正常に作動し、5 gのサンプルが持ち帰られたことも確認されました。

持ち帰えられた粒子のサンプルは、現在、原子レベルまでの分析が進んでいます。さまざまなスケール(マルチスケール)で得られる結果を総合して、数十億キロメートル・46億年というさらに大きな時空間スケールの太陽系の歴史を紐解きたいというミッションです。特に、サンプルリターン探査で持ち帰られるサンプルは、探査機が対象天体の素性を明らかにして、地質情報とともに回収されるという点で、地上で回収され、その起源がはっきりしない地球外物質とは一線を画し、本ミッションによって初めて、C型小惑星がどういう元素や物質でできているのかが明らかになることが期待されます。

https://www.isas.jaxa.jp/topics/002942.html

詳細については、以下をご参照ください。

図:(左・中央)1回目の着地2秒後、3秒後のCAM-H画像。サンプラホーン下部から、矢印をつけた粒子がCAM-Hに向かって飛んでくるのがわかる。(右)2回目の着地2秒後のCAM-H画像。白矢印の粒子はロケット結合リングに映る影からcmサイズであることがわかる(credit: JAXA)

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【プレスリリース】「はやぶさ2」初期分析チーム 2021年6月より試料の分析開始

プレスリリース
橘 省吾(宇宙惑星科学機構 教授/JAXA宇宙科学研究所 特任教授)

小惑星探査機「はやぶさ2」(注1)は2020年12月に小惑星リュウグウ(注2)から帰還し、サンプルリターンに成功した。サンプルコンテナの内部の粒子は、本年6月以降、「はやぶさ2」プロジェクト初期分析チームが一年間、分析を行い、プロジェクトの科学目標である太陽系の起源と進化、地球の海や生命の原材料物質に関する成果をあげることをめざす。

初期分析チームは、化学分析、石の物質分析、砂の物質分析、揮発性成分分析、固体有機物分析、可溶性有機物分析の6つのチームから構成され、14カ国、109の大学と研究機関、269名が参加予定である。

詳細については、以下をご参照ください。

「はやぶさ2」サンプルキャッチャ内の粒子(c) JAXA)。第一回目のタッチダウン時に採取されたものと考えられる。キャッチャ円筒の直径は48mm。

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東京大学理学部臨時公開講演会 Online

2020年2月23日(火)東京大学理学部臨時公開講演会(Online)を開催いたします。当機構の教員も参加いたします。詳細は以下URLをご覧ください。

東京大学理学部臨時公開講演会 Online – 東京大学 大学院理学系研究科・理学部 (u-tokyo.ac.jp)

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【プレスリリース】小惑星探査機「はやぶさ2」の小惑星 Ryugu 第1回タッチダウン時採取サンプルの確認

プレスリリース
橘 省吾(宇宙惑星科学機構 教授/JAXA宇宙科学研究所 特任教授)

東京大学大学院理学系研究科の橘 省吾さん,九州大学大学院理学研究院の岡崎 隆司さんらが回収した「はやぶさ2」再突入カプセルのサンプルコンテナ内に小惑星Ryugu(リュウグウ)由来のサンプルが確認されました.回収された試料は分析班メンバーが中心となって,2021年夏以降に分析が進められる予定です.

https://www.jaxa.jp/press/2020/12/20201215-3_j.html

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【プレスリリース】太陽系形成より古い有機分子を炭素質隕石から検出 ~ただ古いだけじゃない!太陽系に存在する有機物生成に不可欠な分子~

プレスリリース
橘 省吾(宇宙惑星科学機構 教授/JAXA宇宙科学研究所 特任教授)

北海道大学低温科学研究所の大場康弘准教授,海洋研究開発機構の高野淑識主任研究員,九州大学大学院理学研究院の奈良岡浩教授,東北大学大学院理学研究科の古川善博准教授,東京大学大学院理学系研究科の橘 省吾教授らの研究グループは,世界で初めて炭素質隕石からヘキサメチレンテトラミン(HMT)という有機分子の検出に成功しました。

星・惑星系誕生の場である星間分子雲に存在する水やアンモニア,メタノールなど比較的単純な構造を持つ分子は,極低温(-263℃)環境での光化学反応によってより複雑な構造を持つ分子へと変化し,その一部は惑星系形成時に星の材料として取り込まれます。そのため,小惑星のかけらである隕石に含まれる有機物は星間分子の寄与があると考えられています。HMTは星間分子雲で起こりうる光化学反応の主要生成物のため,太陽系形成の材料になったとしても不思議ではありませんが,これまでにHMTが隕石など地球外物質の分析で検出されたことはありませんでした。

本研究グループは,マーチソン隕石をはじめとする3種の炭素質隕石から世界で初めて隕石固有のHMT検出に成功しました。隕石中HMTは主に太陽系形成(約46億年前)以前に星間分子雲で生成したと考えられ,これまで隕石から確認された中で最古の有機分子であるだけでなく,隕石に存在するアミノ酸や糖など種々の有機化合物生成に不可欠な分子です。探査機「はやぶさ2」によって採取され,まもなく地球に帰還予定の小惑星リュウグウのサンプルにも同様にHMTが存在することが予想されるため,本研究成果は宇宙における分子進化解明の糸口になると期待されます。

詳細については、以下をご参照ください。

図:星間分子雲から太陽系形成に至るまでの分子進化

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☆中止のお知らせ☆

3月9日に東京大学本郷キャンパスで予定しておりました宇宙理工学連携研究機構シンポジウム
「宇宙理工学の現状と未来を語る」に関しまして、ご連絡いたします。
新型コロナウィルスの感染拡大の状況も踏まえまして、本シンポジウムの開催を見送ることにいたしました。
状況が落ち着きましたら同様の会を改めて企画したいと思っておりますので、その際には皆様にまたご連絡申しあげます。

(2020/2/27)

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全学連携研究機構:宇宙理工学連携研究機構の発足記念シンポジウムを
3/9(月) 東京大学理学部1号館 小柴ホールでおこないます。

宇宙理工学連携研究機構シンポジウム「宇宙理工学の現状と未来を語る」

日時:2020年3月9日(月)9:50-17:00
場所:東京大学本郷キャンパス理学部1号館小柴ホール

近年日本の宇宙理工学の発展は目覚ましく,「はやぶさ2」の小惑星リュウグウへの着陸や大学発の超小型衛星による深宇宙探査機運用など世界をリードしています.

東京大学では複数部局にわたる惑星科学,天文学,宇宙工学などの研究者が集結することで,大学発の超小型惑星探査などを推進し,新たな学問分野の創出を目指すべく,令和元年10月に宇宙理工学連携研究機構(Collaborative Research Organization for Space Science and Technology, 略称: CROiSSanT)が発足しました.

これを受けて CROiSSanT では,大学における宇宙理工学の現状と未来を自由に語るシンポジウムを開催いたします.

[プログラム]
9:30 受付開始
9:50 開会挨拶 星野 機構長
9:55 来賓挨拶 相原 大学執行役・副学長

【第1部】太陽系探査と観測天文学の現在地
10:00 小惑星探査機はやぶさ2の見た太陽系初期進化(杉田 精司・東大理)
10:20 惑星環境探査の現状と展望(今村 剛・東大新領域)
10:40 系外惑星探査の現在地と今後どこを目指すか(河原 創・東大理)
11:00 超小型衛星による深宇宙探査のこれまでと今後の展望(船瀬・宇宙研/東大工)
11:20 膨張する宇宙と恒星の終末(土居 守・東大理)

【第2部】宇宙理工学教育
11:40 新領域創成科学研究科の深宇宙探査学教育プログラム紹介(鈴木 宏二郎・東大新領域)
11:50 宇宙理工学教育でのあたらしい取り組み〜博士人材の育成と幅広い世代へのアプローチ〜(馬場良子・東大理)

昼食

【第3部】宇宙理工学の推進
13:20 超小型機の機動性を活かした国際彗星探査への参加:Comet Interceptor(笠原 慧・東大理)
13:40 複数機の超小型衛星による天文観測(五十里 哲・東大工)
14:00 超小型衛星を用いたX線天文観測(馬場彩,小高 裕和・東大理)
14:20 超小型火星ランダーTEREX計画(川端 洋輔・東大工)
14:40 超小型衛星を意識した光学観測の技術開発(吉岡 和夫・東大新領域)
15:00 超小型衛星と地上望遠鏡との連携(宮田 隆志・東大理)
15:20 展開型エアロシェルを利用した超小型惑星探査プローブ SPUR(山田 和彦・宇宙研)

15:40 休憩

【第4部】パネルディスカッション
16:00-17:00
1. 超小型衛星〜本格的科学探査に乗り出すには
2. 連携・人材交流
司会:中須賀 真一(東大工)
登壇予定:鈴木 宏二郎(東大新領域),船瀬 龍(宇宙研/東大工),杉田 精司(東大理),國中 均(宇宙科学研究研 所長),常田 左久(国立天文台 台長),倉田 佳奈江(文科省)他

終了後,小柴ホール前ホワイエで立食パーティをおこないます.

 

主催:東京大学 宇宙理工学連携研究機構

協力:東京大学 理学系附属宇宙惑星科学機構
東京大学 国際オープンイノベーション機構

 

 

 

 

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